映画「Munich / ミュンヘン」 エリック・バナ/スティーブン・スピルバーグ
かなり前から楽しみに(?)していた「ミュンヘン(原題:Munich)」を鑑賞。見応えありました。
公開前に「TIME」誌でスピルバーグ監督の独占インタビューを読んで、どんな内容になってるのだろうとかなり感心を持っていました。 実際に事件が起きた時にはまだalexは生まれてないので(お腹にもいなかったな)事件のことは知らないです。
以下、ネタバレありの感想です。(原作を読んでいないので映画だけの感想です)
***ネタバレあり***
古くは「太陽の帝国」に始まり、「シンドラーのリスト」など、娯楽大作以外にも歴史や政治背景を持った(という表現でいいのかは謎)作品をつくってきた監督。自身がユダヤ人ということもあるのでしょうか。
変に監督の出自を先入観として持つべきではないのだろうな~と思いつつ、でも、劇中のユダヤ人描写はどう捉えればよいのだろうと戸惑った部分も。(知識が浅いので少なくとも現代の中東関係を正確に掴めてない自覚あり)
「TIME」誌の独占インタビューで、監督自身は現在の中東問題、アラブvsイスラエルの問題はそんなに簡単には片付かないと語っていたように記憶しています。この作品は特に政治的メッセージをこめたものではないそうで。
ということで、知識からは語れず、純粋に役者&話の感想をば。
エリック・バナが演じる主人公アヴナー。モサドに属してSPなどをしていたものの、職務で人を殺した経験なし、暗殺経験なし。それがいきなり「Black September」主要11人の暗殺指令を受けて、さらには暗殺チームのリーダーになれとの命令。
7ヶ月の身重の妻。目的を達するまでは国も家族も捨てなければならず、身の保証もなし。
愛国心はあるものの、まるで右も左も分からない仕事に任命されて、最初はどこか頼りない顔つきだったのに、暗殺を進めていくうちにどんどんプロの顔になっていくその変化。
「自分達を暗殺者と呼ぶのは変な感じ」と言ってたのに、ターゲットを得る毎にどんどん「暗殺者」になっていってた気がします。
疑心暗鬼に陥りつつも、冷静に仕事をこなすリーダー。 チームメンバーが徐々に精神の均衡を崩しだす中で逆に冷静になっていって。でも、完全に心が凍り付いてしまったわけではなく、遠く離れた娘の声を聞いて滂沱に暮れる時もあり。
「ベッドで眠れずにクローゼットの床で寝るように」なってしまった後半。 自分がターゲットにされて初めて味わう恐怖。自分が行ってきた事柄の意味・正当性への疑問。
モサドにいる時点で「ふつーの人」ではないのでしょうけれど。結局彼は、あのあとブルックリンで平穏に暮らし続けられたのでしょうか。 いつもいつも命を狙われている恐怖。一人身ならともかく、妻と娘。守らなければならない者達がいる。「パパ」が彼を売ることはないとしても、他の組織が彼を狙う&情報を売買する可能性はあるわけで。
“home” とは?
エフライムが“come back to home”(国に戻って来い)と言うのですが(記憶が間違ってなければ)、逡巡の後、アヴナーの出した答えはNo。
アヴナーにとっての“home”は、先祖が作ってきた「国」ではなくなったのか。(故郷とか家庭とかそういう意味がありますが>home)
殺す方にも殺される方にも家族があるしhomeへの想いはあるわけで。
国家に憧れるPLOの若者。 土地があることを、政権があることを夢見る若者。
答えがなくてよかったと思いました、この作品。取ってつけたような答えがあったらきっと興冷めする。
答えがないから現在があるのでしょうし。
憎しみの連鎖。 憎しみが憎しみを呼び、留まるところを知らない。 テロ組織の首謀者を殺しても、更に残虐になった次のTOPが現れて、血を血で洗うテロ行為の応酬。
憎しみを断ち切るのは、言葉で言うほど簡単ではないはず。
・・・こてんぱんにやられながら、報復行為を選ばなかった国家に生まれ育っているから尚更ピンと来てないかも。。。。 (報復しなかったのはできるだけの余力が残ってなかったからor残されなかったからかもしれませんが)
結局、復讐の暗殺は正義だったのか? 永遠の命題かも。 報復の戦争はテロではないんでしょうかね。 何が正義で何が悪なのか。「強い」ということはどんなことなのか。
なんかまとまらないですね~。監督やスタッフの解説ありでDVD出してくれないかな?いや、もうちょっと勉強すればいいのか(^^;
とにかく、期待を裏切らない作品でした。 派手じゃないと思いますけれど、劇場を出る時に確実に何かが心に残ってる感じです。
3時間近い上映時間は全く気にならず。緊迫感あふれてひたすらスクリーンに引き込まれた感じがします。それにしても、何言ってるか分からなかった部分、字幕がほしいなぁ~と思います。英字幕そのものが用意されてなかったので、日本語字幕もつけようがなかったんでしょうかね。アヴナーとPLOの若者達のやり取りとか、その他現地語で話すシーンがいくつかありましたが・・・・
しかししかし、ダイニエル・クレイグにびっくり。なんか、新ジェームズ・ボンドとして紹介された時にはちっちゃく見えたし、細身の優男に見えたのですが(ひどい言い方)、なんのなんの、ガタイいいんじゃありません?
役作りなのかもしれませんが。 ちょっとこれは新ジェームズ・ボンドが楽しみになってきました(現金なヤツ・笑)
ブロンドのボンドって・・・・と引き気味でしたが、いや~、要チェックだな♪c
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(さて、ここから映画の中身の話。ネタバレあります)
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こんにちわ。jesterと申します。
私も昨日、ミュンヘンを見てきました。こちらの素晴らしい感想をよまさせていただきました。ありがとうございました。
重いテーマでしたが、いろいろ考えさせられる映画でしたね。私も感想を書いたので、TBさせていただきました。
(全然関係ないのですが、ショーン・ビーンさんのファンなんですね~jesterはヴィゴのファンデス。もうすぐ来日するんですよ~むふふ)
投稿: jester | 2006.02.08 12:29
こんにちは。
重いのに時間も気にならずとっても見応えありましたね。もっと世界情勢の勉強をしなくっちゃと思いました^^)。
本当に心理的に追い詰められるベッドのシーンはドキドキしてしまいました。
やっぱりダニエル・クレイグはこの映画でポイントアップですよね♪「Jの悲劇」もそれなりに良かったですが…。
投稿: りーめい | 2006.02.09 23:06
>jesterさん
初めまして、こんにちは!
もうすぐ「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でヴィゴっちは来日ですか?
「ミュンヘン」、いろいろと考えさせられる内容でした、ほんとに。
見応えのある作品だったと思います。
>りーめいさん
こんにちは~(^-^)
私ももっと勉強せねば・・・と思いました(^_^;
ダニエル・クレイグ、めちゃくちゃポイントアップしましたよ!ほんと。他の作品をほとんど見ていないので、新007が公開される前にでもチェックしようと思います!
投稿: alex | 2006.02.15 17:13
いろいろ考えさせられる作品ではありましたね。
逆に私はダニエル・クレイグ株ダウンです(^^;
まあ、役柄上、仕方ないのかもしれませんが…。
エリック・バナはよかったんですがね。
ジェフリー・ラッシュはエンドロール見るまで気づきませんでした(^^; > 口うるさい指令おやじ
投稿: rukkia | 2006.02.16 19:40
>rukkiaさん
こんにちは~(^^)
ホント、考えさせられるところの多い作品でした。
あ、ジェフリー・ラッシュは私もエンドロールでちゃんと認識しました(^^; 見たことのある顔だ・・・とずっと思っていて(苦笑)
投稿: alex | 2006.02.21 16:14