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2006.12.29

「The Mother」ダニエル・クレイグ アン・リード

「007 カジノ・ロワイヤル」で予想外にはまってしまったダニエル・クレイグの日本未公開作品、「The Mother」

不倫の恋人&その母親とも関係を持ってしまうダレン役ということで、ひげもぢゃダニエルを観るべくUK版を鑑賞。いやはや・・・・予想以上に重い作品で、見終わった後にうぅぅぅとなってしまいました(^_^;

「The Mother」は「ノッティングヒルの恋人」などのロジャー・ミッチェルが監督。2003年の作品で、自分の半分の年齢の男性と関係を持ってしまう、60代の女性、「母親」の物語。

「カレンダーガール」などの軽快なノリ&元気はつらつ女性を思い浮かべちゃダメです。ツボヤキさんのところでは、リアリティありすぎであまりhitしなかったのでは?と考察されていましたが、確かに・・・・60代になった時に観て、直視するのは難しいかなぁ・・・と。

ということで、ネタバレ大有りの感想へ。

***ネタバレおおあり***

※英字幕付なので、ある程度理解できているつもりですが、細かい部分を落としているかも。感想はalexのへたれ英語脳が解釈したものです(^^;


<粗筋>
主人公Mayは郊外に夫と暮らす60代の女性。ミドルクラスで、夫が彼女が外に出るのを望まなかったのもあって、専業主婦として息子と娘を育て、友人などもほとんどいない様子。

既に独立、結婚した息子とシングルマザーとなった娘はロンドン暮らし。息子の家にお呼ばれし、タクシーや電車を乗り継いで到着した息子の家。都会暮らしの息子は仕事が傾いているらしく、両親を歓迎する暇もなく仕事へ。カシミアのショップを開いた息子の妻は、お腹が空いたらドリアをチンして食べて、と言い残してこれまた仕事へ。

広い家に残されたのは、取り残されたMay&夫と家の増築を息子から請負い、大工仕事に精を出していたDarrenだけ。

その晩、息子の家から20分ほどの距離に住む、シングルマザーとなった娘を訪ね、家族水入らずで久しぶりの晩餐を楽しんだMayと夫。
しかし、夫はその夜、突然体調不良を訴え帰らぬ人に・・・・・

茫然自失のまま「家」へと帰ったMayだが、夫のいない家と、未亡人として始まるこれからの生活-「老いの日々」への心構えや覚悟がまだ固まらず、結局、息子とともにロンドンの息子の家へと戻ってしまう。

明らかに歓迎されていない空気の息子夫婦の家。しばらく放心状態で散歩をした後、娘ポーラの家へ向かうも、大都会ロンドンはMayには複雑すぎる。散々迷い心細い思いをした挙句、ようやく辿り着いた娘の家では、娘が暖かく歓迎してくれる。

夜、出かけるから息子(Mayの孫)の面倒を見てくれると助かるといわれ、ベビーシッターとして居候を始めるMay。

深夜、隣の部屋から聞こえるうめき声に起き上がって出て行くと、そこには息子の家を増築していたDarrenとポーラの姿が。どうも2人は付き合っているらしい。

「父が死んだ夜くらいそばにいて欲しい」と言うポーラを振り切り、出て行くDarren。眠れずにソファでワインを傾けるポーラ。

Darrenには妻がいて、夫婦生活は破綻しているものの溺愛している息子がいるため離婚できずにいる。とポーラから聞いたMayは、さっさと別れる事を勧める。揺れるポーラ。

昼間、息子の家で時間をつぶしていたMayは、増築工事を行っているDarrenを観察。最初は「娘をたぶらかす不倫相手」として見ていたが、軽食の準備をしたりするうちにいろいろとDarrenと言葉を交わすようになる。

「I'm frightend・・・」 何をどうしたらよいのか分からない。怖い。今はまだ亡き夫と過ごした「home」へ帰れない。 Darrenに自らの困惑をポツリと語るMay。

外で昼食を取らないかとDarrenに誘われ、軽いlunchの後に「見せたいものがある」と有名な人物(誰だったかど忘れ)の墓&墓に刻まれたポエムを見せられるMay。

元々美術が好きだったらしいMayはDarrenと打ち解け、川辺の散歩をDarrenと楽しむ。水辺を歩いていた時にバランスを崩したMayは咄嗟に手を出したDarrenに支えられ、抱き合う形になったまま、Mayは無意識のうちにDarrenの唇に自らのそれを重ね、はっと我に返って去っていく。

ある午後、遂にMayはDarrenに2階の部屋へ一緒に上がって欲しいと頼み、受け入れたDarrenと性的関係を持つ。

ポーラ主催のwritingサークルで、妻を失くした老齢の男性に声をかけられても、今ひとつ気が乗らないMay。

幼少から自分は愛されていないと感じていたポーラは、自分が離婚したのも人生がうまく行かないのも、Darrenのような男に惹かれるのも全てMayのせいだと口走る。

Darrenとポーラの付き合いは変わらず、娘ポーラとDarrenが共にいる姿を正視できなくなっていくMay。

ビジネスが傾いていた息子はDarrenに増築させている家を売りに出すことを決める。

Mayが描いたスケッチブックから、MayとDarrenの関係を知ったポーラは、Darrenが離婚に同意して明日から自分のflatで一緒に暮らし始めることになったから、出て行くようにとMayに告げる。

定職がないため安定した収入がなく、離婚したら息子の親権が取れないDarrenはドラッグにまで手を出し、Mayの「お金なら私が持っている」という言葉を頼りにするも、そのお金はただDarrenに与えられるものではなく、Mayと共に乗る飛行機のチケットだと言われ激昂。

最後に、Mayは「もう怖くないわ」と告げて、1人「home」へと。

<粗筋ここまで>


Mayの表情の変化が見事です。夫を失くした直後の生気のない途方に暮れた顔。Darrenに惹かれ出した時の顔。Darrenと関係を持ってからの顔。Darrenを見る、恋した女の顔。ポーラへの嫉妬が隠せない顔。

勇気を出してDarrenを2階へと誘い、服を脱ぎぐものの、自分の半分の年齢の若い男性へ触れることが許されるのか、または触れてもらえるのか・・・の逡巡。

ベッドの中でMayが呟く言葉:「こんなふうに触れてもらえることがまたあるなんて思ってもなかったわ」

夫の死によって「自分のこれからの人生」を考える必要に迫られたMay。生きがいもなく家にこもるだけの人生は、Mayにはまだ受け入れがたいものだったようで。

「年齢の高い人は、うまく折り合いをつける術を知っているものだと思ってた」と不思議そうな顔をするDarren。

多分どこにでもある家庭の話で、ハッピーエンドに終わるわけでなく、誰もが問題を抱えたまま作品はエンドロールに入るのですが、どこにでもあるであろう話なだけにリアルで生々しいというか。

Darrenは「very kind man」。特典のインタビューでアン・リーも、演じたダニエル本人もそう表現していました。

確かに(^^; 60代のおばあちゃんだからと鼻であしらうわけでなく、とても優しく接していて、問題ありのロクデナシなのかもしれないけれど、Mayにとっては確実に癒しの存在だったでしょうね。

Mayを気に入った老齢のブルースが、彼の欲求を満足させるだけの一方的なsexをしたのに対し、Mayを満たすようなDarrenのsex。(もちろんDarrenもアレコレ楽しんでいたようですが)

優しけりゃいいのかというとそうでもなく、定職&安定収入はない、ポーラと付き合いつつもMayのこともちょっと心配になる(←情が映って心配なだけで愛ではないと思われ)、ヤケになってドラッグには手を出す、とDarrenは問題だらけですが、「これからの人生」への踏み出し方が分からず怯えていたMayにとってはとても大きな癒しになったことだけは確かでしょう。

60になっても恋はできるし(それも自分の半分の年くらいの男性相手に)、相手に触れたいという欲求だってもちろん健在。

大切に扱ってもらえたら嬉しくもなるし、自信も持てるし。

主演のアン・リードはこの役を演じるのにものすごく勇気がいったと思います。本人もインタビューでそのように語っていましたが。

また、女同士、母と娘というのは親子といえどもドロドロになるもんなんだなぁ~とも思いました。

「母さんはお兄ちゃんばかり気にかけて、私のことは全く見てくれなかった」

ポーラが母Mayにぶつけた自分の想い。

ポーラと兄の2人兄妹+May+夫の4人という家族構成の中、長男の兄にのみ母親の関心が向いていることに傷つき、それが心の傷となってまともな人生が送れないと嘆くポーラ。

ポーラがそのような想いを抱いていることは実は兄は察知していて、兄妹の会話の中ではその話も出てきます。

が、Mayには晴天の霹靂な言葉で、「あなたのことを心配しているのよ」と幾度となく繰り返します。
兄妹の2人だけだと、性別も違うので両親の愛情をそれぞれ独り占めできていいじゃないかとalexは思っていましたが、そうでもないのが現実か・・・・(alexんちはalexの上に1人下に3人の姉妹弟がいるので・・・・親の関心を引くのはサバイバル状態でした・笑)

男の子は母親の現実を見るのが苦手なのでしょうかねー。いろんなDarrenの姿を描いたMayのスケッチブック(営みの最中のスケッチや、脱いでるDarrenの姿も多々あり)を見つけたポーラが、「She has him!」とDarrenとMayの関係に気づき、そのスケッチをまじまじと見たのに対し、それを見せられた兄は驚いた後に「多分母さんの妄想だよ」と、スケッチをポーラの方へ押しやってました。

息子にとって母はいつまでも聖母?(^_^;

英語のお勉強になったのは「have」の使い方。

「Darrenとデキてる」は「She has him」。
「彼をあげるわ」は「You can have him」。(←日本語はalexの乏しい脳みそがひねり出したトンデモ訳ですので、割引いてください。Darrenとの関係を知った後、ポーラがMayに投げた言葉です)

ポーラはMayに拳で決着を着けてました(^^; 「殴らせて(I want to hit youだったかな?)」と言うのですが、まさかホントに拳でhitと思わず、びっくり。ま、でも親子の前に女同士ですよね、男を挟んだら。

結局、Darrenの離婚はうやむや、ポーラとの付き合いもずるずる、息子のビジネスは傾いて家売却。と皆が苦しんでいるまま話は終わります。

ただ、MayはDarrenとのことやポーラとのことでそれなりに傷つきながらも、「I'm not frightened any more」と皆の前ではっきりと口にし、(特にDarrenに聞かせたかったんでしょうね)、見送りもないまま1人で息子の家を出て行きます。

電車に乗り、「まだ帰れない」と言っていたhomeに1人で戻るMay。
その後、旅行の準備をし、パスポートを持って家から出て行くMayの後ろ姿でendingに。

「the mother」は、結果的には次の人生への一歩を踏み出せたと言えるのかもしれません。全く派手でないくせに、ちょっとしたシーンが後から蘇ってくる作品でした。

この作品のダニエルはひげもぢゃ。もしゃもしゃです。ボンドほどじゃないけどそれなりに筋肉質。 綺麗な上半身にちと目が釘付けに(笑) Mayじゃなくても「触ってもいいかしら・・・」と思います。(照)

部屋の隅に放り出したズボンを履きなおす時には、ぷりちーなおしりを惜しげもなく披露。ボンドでもいつでも全裸になれると言ってたようですが、ほんっと、英国俳優って惜しげもなくぼでーを披露してくれて♪♪♪ ユアンは出しすぎですけどね(笑) (「Love is the Devil」では更にすごいらしいので、正月休みに必ず見ます!)

特典のインタビューはかなり聞き甲斐がありました。字幕がないのがつらいところでしたが・・・

ダニエルの声、低くて艶があってものすごく好きなのですが、どーもくもぐりがちで聞き取りにくい!!!May役のアン・リードがものすごく聞き取りやすいので、尚更苦労しました。しかもダニエル、インタビューに答える際、考えがまとまりにくかったのかすんごい詰まってるし(^^; おにーさん、もちっとカツゼツ良くしてくれたらalexはもっと嬉しいぞ。

そうそう、ものすごく印象的だったシーン。Darrenと始めて触れ合った後のMayが顔を洗うシーン。今までの暗~い表情から変わって、どこかさっぱりとしたような満ち足りた表情をしています。

ズボンだけ履いたDarrenが彼女の後ろで扉部分にもたれてそんな彼女を優しく見ているのですが、これがまた優しい表情で。

多分、日本ではまず公開されない作品だと思われるのが残念ですが、見応えのある作品でした。

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コメント

うーむ、重い話なので私は見れないと思いますが…。
007とレイヤーケーキ以外でも「はまっているダニエル」なのでしょうか。
いちど陥落したらはまりっぱなしなのかもしれませんが。

私は「トゥームレイダー」でいまいちイメージが定着してしまったので(^^;

>rukkiaさん
そうですね~。ダニエルって007になってしまったものの、どちらかと言うとカメレオン俳優だと思うんですよね。
“はまってる”のか?(^^; 
多分、「美形!主役!キラキラ☆」よりは、ホントに玄人好みのしぶ~い演技力勝負の方ではないかと(別にルックスが悪いわけじゃないんですけど・・・キラキラオーラはやっぱり足りないんじゃないかと思います。芋はいきすぎですけど・汗)

本人も嫌がっていると言う「トゥームレーダー」はまだ見ていない私(^^; 正月に見ます!

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